NO.8 (平成8年7月)

 後援会の皆様には、ご健勝の事とお慶び申し上げます。
 伊藤市長は第三次基本計画のスタートでもある96年度を2000年に向けた「まちづくり元年」と位置づけたのであります。就任後初の当初予算編成に於て、伊藤色を打ち出さんとした結果「100%とは言わないが充実した予算となった」と自己評価いたしました。「まちづくり基金」の創設、道路整備費の重点路線指定と大幅な増額はあるものの、市長公約の最大の目玉であり、市民が最も期待し、熱望した長崎市再活性化へのビジョンは未だ見えない予算編成となった感は歪めないのであります。
 確かに類似都市に比べ平均で税収入が200億円も少なく、伸びる見込みがないのに加え、前市長からの大型事業(180億円96年度分)の継続費の足かせがあり、思いきった予算が組めない状況にあります。明確な伊藤色が出せるのは来年度以降にならざるを得ないと思います。
 一方本市財政運営を考える時、借金(地方債残高)が本年度1700億円を越える見込みで、財政運営は非常に厳しいものがあります。財政健全化策は、壮大な無駄をいかに少なくし健全化するかが重要であります。
 9月に提案される行政改革大綱を厳しく見守りたいと思います。
 この無駄の削減は一つには可能な限りの行政の規模拡大の追求という弊害の是正であり、いま一つは財源の再配分機能に対する市民の要望、依存心の見直しという点に於いて不可分であると思います。
 あらゆる面での制度疲労が叫ばれている折、21世紀の新しい価値観によるまちづくりが急がれている時、こうした基本に迫る部分にメスを入れなければ、展望は拓けてこないと思います。行政の役割と行政への要望、それに対する自己の責任と負担について真剣に考えなければならない“トキ”だと考えます。

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